個人的に最もゲームデバイスの中で重要度の低い、プレイヤーの動きを表示するディスプレイ。
今回の記事ではそのディスプレイの選択方法を、他のプレイヤーとは違う視点で解説します。
スペックの読み方
解像度
ディスプレイ表示される映像が、どれだけの緻密に表示できるかを表します。
小型のディスプレイでは昨今の主流である、1,920×1,080に対応していないことが多いです。
解像度の高いディスプレイを解像度を低くして使うことはできますが、その逆は不可能です。
基本的に解像度の低いディスプレイを選ぶ理由はありませんから、注意しましょう。
また最近ではより多くの情報量を表示できる、4K対応のディスプレイも充実しています。
ゲーム用途としては向かないうえ高価ですが、業務メインの方は検討する余地があります。
輝度
ディスプレイに搭載されたバックライトが、どれだけ明るいかを表します。
この項目は一定上であれば良く、設定で暗くすることができないと目が疲れやすくなります。
コントラスト比
ディスプレイに表示される映像に、どれだけメリハリが生まれるかを表します。
ディスプレイに内蔵された機能により、最大値が大きく向上する製品もあります。
視野角
ディスプレイに表示される映像が、どれだけの角度で視認できるかを表します。
視野角が低い製品では、正面から見ても上下端と左右端で色が違うこともあります。
応答速度
ディスプレイに入力される映像が、どれだけの速度で切り替わるかを表します。
応答速度が高いほど残像感が出にくく、映像がハッキリ視認できるようになります。
入力遅延
ディスプレイに入力される映像が、どれだけ遅れて表示されるかを表します。
この入力遅延は明記しているメーカーが少なく、様々なレビューサイトから確認します。
余りにこの遅延が大きいと実際の映像と入力操作が同期できず、深刻な成績低下を招きます。
古い液晶テレビがある方は一度接続してみると、その小さくない影響にきっと驚くでしょう。
パネル方式の種類
TNパネル
安価帯で最も普及している方式です。
優れた応答速度で安い反面、視野角が狭く色の変化が大きいです。
そのため業務には向かず、ゲーム専用として割りきって選択するべきでしょう。
VAパネル
コントラスト比に優れる方式です。
とくに黒の発色が良い傾向で、根強い人気があります。
しかし昨今では価格が低下してきたIPSパネルに押され、生産数が減少しています。
IPSパネル
視野角とコントラストに優れる、万能な方式です。
少し前までは応答速度が遅い傾向がありましたが、最近は改善しつつあります。
また現在は安価な製品も出回っており、手の出しやすい価格帯で推移しています。
ただし低価格帯と高価格帯では、同じIPSでも性能が違うため注意しましょう。
グレアパネル
厳密にはパネルの方式ではなく、パネルの表面処理方法を表します。
グレアパネルは光沢感のある処理方法で、鮮やかな発色が特長です。
しかし映り込みが著しく、室内照明の位置によっては大変見にくい場合があります。
ノングレアパネル
グレアパネルと相対する、光沢感のない・少ないパネルの表面処理方法です。
グレアパネルに比べ表示する映像が地味になりますが、映り込みの影響がまずありません。
そのため全ての製品とは言いませんが、目が疲れにくい傾向です。
様々な機能
暗所強調
入力された映像のコントラスト比を調整し、黒つぶれを低減させる機能です。
暗所に隠れがちな敵プレイヤーを、より早く発見しやすくなります。
AIMポインタ
ディスプレイの中央に、常時目印を表示させる機能です。
ただしアナログチートと非難される場合が多く、使用するかはプレイヤー次第です。
高リフレッシュレート
通常1秒間に60枚の画像を切り替える60Hzではなく、120Hzや144Hzで駆動させる機能です。
この機能に対応しているディスプレイでは、より映像を滑らかに表示することができます。
そのためFPSでは有利になると言われており、ガチ勢には必須の機能だと言えます。
ただし安定して120/144Hzを維持するには、高性能なグラフィックカードが不可欠。
コストに見合う効果が得られるかは、プレイヤーの力量に左右されそうです。
遅延低減
入力された映像を画質調整無く出力することで、入力遅延を低減させる機能です。
FPS・シューティング・格闘ゲームなど、僅かな時間が勝敗を左右するジャンルに適します。
ドットバイドット
入力元の解像度を変化を加えない表示機能です。
通常であれば映像を画面サイズに応じて引き延ばしますが、それを行いません。
そのため解像度を落としてプレイしがちな、スポーツ系に適しています。
フリッカーフリー
目を疲れされる原因となりうる、フリッカー(チラツキ)を無くす機能です。
通常目に見えない速さで明滅するバックライトを制御し、安定化させます。
ピボット
ディスプレイの映像表示部分を、90度回転させる機能です。
通常横長のディスプレイを回転させることで、縦シューティングゲームに適します。
ブルーライトカット
目を疲れさせる原因となりうる、ブルーライトを低減させる機能です。
白色に大きく影響する青色を制御するため、機能を強めると映像が黄味がかることが難点です。
重視すべき項目
通常のFPSプレイヤーが重視すべき項目は、まず入力遅延です。
入力遅延が大きいと操作が正しく画面に反映されず、常に違和感がつきまといます。
つぎに重視すべきは応答速度で、残像感を少しでも抑えましょう。
残像感が大きいと目が疲れ、集中してプレイすることができません。
最後に重視すべきがリフレッシュレートです。
コストは掛かりますが、リフレッシュレートを上げることによるリスクは存在しません。
私が最重視する項目
私が最重要視する項目は、目への負担です。
Battlefieldシリーズは片手間でプレイしているだけですから、日々の業務時間の方が遥かに多いです。
そのため目が疲れやすいディスプレイだと、作業効率に影響を及ぼしてしまいます。
また色の再現精度もある程度重要で、白と淡い色の区別が付かなければなりません。
以前使用していたゲーミングディスプレイでは、色の変化が分からず苦労したのです。
それから画面サイズも無視できない項目です。
画面サイズが大きすぎるとバックライトの発光面積が増え、やはり長時間のPC作業ができません。
以上の理由から私が使用しているのは、今年で11年目になるEIZOのL885。
シャープのASVパネルを使用している製品は、現在生産されておらず入手も難しいです。
Battlefield 1942から使い続けている製品ですから、今後も大事に使用していきたいと思います。
ちなみにスペック(PDF)は全くゲームに向きませんが、プレイに影響することはありませんでした。
実作業を無視したとして私がゲーム用に今購入するなら、XL2411Zでしょうか。