2020年の秋冬モデルから徐々に販売されている、第11世代CoreシリーズのCore i7-1165G7搭載パソコン。
今回の記事ではこの「Core i7-1165G7」と、Ryzen 7 Extreme Editionの性能をベンチマークで比較します。
CPUの性能比較
Core i7-1165G7は「Intel Iris Xe Graphics」を内蔵した、4コア8スレッドのモバイル向けCPUです。
第11世代Coreプロセッサーに属しており、ターボ・ブースト利用時の最大周波数は「4.7GHz」です。
一方Ryzen 7 Extreme Editionは登場から半年経った今でも、NECの「N1585」に限り採用されています。
ベースはおそらくRyzen 7 4800Uだと思われますが、AMD公式の情報が存在しないため詳細は不明です。
ちなみにキャッシュについては、NEC公式のメーカー仕様表では「キャッシュメモリ:12MB」との記載。
しかしCPU-Z読みではL3:8MBですから、メーカーの記載はおそらくL2:4MBとの合計値なのでしょう。
性能比較 | Core i7-1165G7 | Ryzen 7 Extreme Edition |
---|---|---|
CPUコア数 | 4コア | 8コア |
スレッド数 | 8スレッド | 16スレッド |
基本クロック | 2.8GHz | 1.8GHz |
最大クロック | 4.7GHz | 4.2GHz |
L3キャッシュ合計 | 12MB | 8MB |
CMOS | 10 nm SuperFin | TSMC 7nm FinFET |
パッケージ | FCBGA1449 | FP6 |
最大メモリー速度 | 最大3200MHz(DDR4) 最大4266MHz(LPDDR4x) | 最大3200MHz(DDR4) 最大4266MHz(LPDDR4) |
内蔵GPU | Intel Iris Xe Graphics | AMD Radeon Graphics |
TDP | 28 W | 15W |
CPUベンチマーク比較
毎回性能比較の慣例となっている「Cinebench」と「CPU-Z」のベンチマーク結果です。
2つのCPUの増減率を比較すると、Core i7-1165G7が「Cinebench R20(Multi)で約31%劣位」です。
この差はCPU-Zでも同様に現れており、シングルスレッドの結果のみRyzen 7 Extreme Editionを上回ります。
CPU性能比較 | Core i7-1165G7 | Ryzen 7 Extreme Edition | 増減率 |
---|---|---|---|
Cinebench R20(Multi) | 2337 | 3365 | -31% |
Cinebench R20(Single) | 571 | 486 | 17% |
CPU-Z(Multi) | 2719.2 | 4728.4 | -42% |
CPU-Z(Single) | 540.3 | 523.8 | 3% |
GPUの性能比較
左の画像が、Core i7-1165G7搭載PCに内蔵されている「Intel Iris Xe Graphics」の情報です。
右の画像が、Ryzen 7 Extreme Edition搭載PCに内蔵されている「AMD Radeon Graphics」の情報です。
実機サンプル仕様比較
比較用の検証サンプルには似通ったスペックのものを用意していますが、あくまで別個体。
そのため記事内の全てのベンチマークは、参考値として認識して頂くようお願いいたします。
仕様比較 | Core i7-1165G7 | Ryzen 7 Extreme Edition |
---|---|---|
OS | Windows 10 Pro 64bit | Windows 10 Home 64bit |
メモリ | 16GB×1(DDR4-3200) | 8GB×2(DDR4-2666) |
ストレージ | 512GB SSD(NVMe) | 1TB SSD(NVMe) |
グラフィック | Intel Iris Xe Graphics | AMD Radeon Graphics |
ゲーミング性能比較
GPUベンチマークを比較すると、Core i7-1165G7が「Night Raidで約19%劣位」です。
さらに毎回行っている下記ベンチマークにおいて、Core i7-1165G7が勝る項目はひとつもありませんでした。
GPU性能比較 | Core i7-1165G7 | Ryzen 7 Extreme Edition | 増減率 |
---|---|---|---|
Night Raid | 11084 | 13626 | -19% |
Sky Diver | 10848 | 11878 | -9% |
Cloud Gate | - | 20267 | N/A |
Ice Storm Extreme | - | 80757 | N/A |
Ice Storm | - | 92779 | N/A |
ドラゴンクエストX(1080p) | 7749 | 8556 | -9% |
ファイナルファンタジーXIV(1080p) | 1985 | 2731 | -27% |
総合性能比較(PCMark 10)
パソコンの総合的な性能を測定する目的で用いられる、ベンチマークソフト「PCMark 10」のデータです。
双方を比較すると、Core i7-1165G7がRyzen 7 Extreme Editionに対して「総合スコアで約13%劣位」です。
とはいえCore i7-1165G7搭載機とRyzen 7 Extreme Edition搭載機の価格差は、小さくないことは確か。
デスクトップPCに近い性能を発揮するRyzen 7 Extreme Editionほどの性能を必要としなければ、Core i7-1165G7でも十分快適な作業環境が得られるでしょう。
Core i7-1165G7に向く用途 ⇒ 映像編集、ワープロ、ウェブブラウジング
Ryzen 7 Extreme Editionに向く用途 ⇒ レンダリング、表計算、ビジネスアプリ
PCMark 10 | Core i7-1165G7 | Ryzen 7 Extreme Edition | 増減率 |
---|---|---|---|
総合スコア | 4685 | 5378 | -13% |
基本性能 | 9424 | 9823 | -4% |
アプリ起動速度 | 11671 | 12489 | -7% |
ビデオチャット | 8216 | 8904 | -8% |
ウェブブラウジング | 8731 | 8525 | +2% |
ビジネスアプリ | 6214 | 7961 | -22% |
表計算 | 5778 | 10000 | -42% |
ワープロ | 6684 | 6339 | +5% |
コンテンツ制作 | 4766 | 5400 | -12% |
写真編集 | 7761 | 8066 | -4% |
レンダリング | 2859 | 5500 | -48% |
映像編集 | 4881 | 3551 | +37% |
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