【第11世代】Core i7-1165G7とRyzen 7 Extreme Editionの違い【性能比較】

2020年12月25日

2020年の秋冬モデルから徐々に販売されている、第11世代CoreシリーズのCore i7-1165G7搭載パソコン。
今回の記事ではこの「Core i7-1165G7」と、Ryzen 7 Extreme Editionの性能をベンチマークで比較します。

CPUの性能比較

Core i7-1165G7は「Intel Iris Xe Graphics」を内蔵した、4コア8スレッドのモバイル向けCPUです。
第11世代Coreプロセッサーに属しており、ターボ・ブースト利用時の最大周波数は「4.7GHz」です。

一方Ryzen 7 Extreme Editionは登場から半年経った今でも、NECの「N1585」に限り採用されています。
ベースはおそらくRyzen 7 4800Uだと思われますが、AMD公式の情報が存在しないため詳細は不明です。

ちなみにキャッシュについては、NEC公式のメーカー仕様表では「キャッシュメモリ:12MB」との記載。
しかしCPU-Z読みではL3:8MBですから、メーカーの記載はおそらくL2:4MBとの合計値なのでしょう。

CPUの性能比較

性能比較Core i7-1165G7Ryzen 7 Extreme Edition
CPUコア数4コア8コア
スレッド数8スレッド16スレッド
基本クロック2.8GHz1.8GHz
最大クロック4.7GHz4.2GHz
L3キャッシュ合計12MB8MB
CMOS10 nm SuperFinTSMC 7nm FinFET
パッケージFCBGA1449FP6
最大メモリー速度最大3200MHz(DDR4)
最大4266MHz(LPDDR4x)
最大3200MHz(DDR4)
最大4266MHz(LPDDR4)
内蔵GPUIntel Iris Xe GraphicsAMD Radeon Graphics
TDP28 W15W

CPUベンチマーク比較

毎回性能比較の慣例となっている「Cinebench」と「CPU-Z」のベンチマーク結果です。

2つのCPUの増減率を比較すると、Core i7-1165G7が「Cinebench R20(Multi)で約31%劣位」です。
この差はCPU-Zでも同様に現れており、シングルスレッドの結果のみRyzen 7 Extreme Editionを上回ります。

Cinebench

CPU-Z

CPU性能比較Core i7-1165G7Ryzen 7 Extreme Edition増減率
Cinebench R20(Multi)23373365-31%
Cinebench R20(Single)57148617%
CPU-Z(Multi)2719.24728.4-42%
CPU-Z(Single)540.3523.83%

GPUの性能比較

左の画像が、Core i7-1165G7搭載PCに内蔵されている「Intel Iris Xe Graphics」の情報です。
右の画像が、Ryzen 7 Extreme Edition搭載PCに内蔵されている「AMD Radeon Graphics」の情報です。

GPUの性能比較



実機サンプル仕様比較

比較用の検証サンプルには似通ったスペックのものを用意していますが、あくまで別個体。
そのため記事内の全てのベンチマークは、参考値として認識して頂くようお願いいたします。

仕様比較Core i7-1165G7Ryzen 7 Extreme Edition
OSWindows 10 Pro 64bitWindows 10 Home 64bit
メモリ16GB×1(DDR4-3200)8GB×2(DDR4-2666)
ストレージ512GB SSD(NVMe)1TB SSD(NVMe)
グラフィックIntel Iris Xe GraphicsAMD Radeon Graphics

ゲーミング性能比較

GPUベンチマークを比較すると、Core i7-1165G7が「Night Raidで約19%劣位」です。
さらに毎回行っている下記ベンチマークにおいて、Core i7-1165G7が勝る項目はひとつもありませんでした。

ゲーミング性能比較

GPU性能比較Core i7-1165G7Ryzen 7 Extreme Edition増減率
Night Raid1108413626-19%
Sky Diver1084811878-9%
Cloud Gate-20267N/A
Ice Storm Extreme-80757N/A
Ice Storm-92779N/A
ドラゴンクエストX(1080p)77498556-9%
ファイナルファンタジーXIV(1080p)19852731-27%

総合性能比較(PCMark 10)

パソコンの総合的な性能を測定する目的で用いられる、ベンチマークソフト「PCMark 10」のデータです。
双方を比較すると、Core i7-1165G7がRyzen 7 Extreme Editionに対して「総合スコアで約13%劣位」です。

とはいえCore i7-1165G7搭載機とRyzen 7 Extreme Edition搭載機の価格差は、小さくないことは確か。

デスクトップPCに近い性能を発揮するRyzen 7 Extreme Editionほどの性能を必要としなければ、Core i7-1165G7でも十分快適な作業環境が得られるでしょう。

Core i7-1165G7に向く用途 ⇒ 映像編集、ワープロ、ウェブブラウジング
Ryzen 7 Extreme Editionに向く用途 ⇒ レンダリング、表計算、ビジネスアプリ

PCMark 10

PCMark 10Core i7-1165G7Ryzen 7 Extreme Edition増減率
総合スコア46855378-13%
基本性能94249823-4%
アプリ起動速度1167112489-7%
ビデオチャット82168904-8%
ウェブブラウジング87318525+2%
ビジネスアプリ62147961-22%
表計算577810000-42%
ワープロ66846339+5%
コンテンツ制作47665400-12%
写真編集77618066-4%
レンダリング28595500-48%
映像編集48813551+37%



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