第9世代のメインストリーム向けCPUとしては、最上位の16スレッド対応モデルとなるCore i9-9900K。
今回の記事ではこの「Core i9-9900K」と、前世代の記念モデル「Core i7-8086K」を比較します。
仕様の違い
2つのCPUを比べたとき、最も大きな違いは駆動する「スレッド」にあります。
Core i9-9900Kでは対応しているアプリでの利用時、より快適な動作が期待できることでしょう。
項目 | Core i9-9900K | Core i7-8086K |
---|---|---|
コア / スレッド | 8 / 16 | 6 / 12 |
基本クロック | 3.60 GHz | 4.00 GHz |
最大クロック | 5.00 GHz | |
キャッシュ | 16MB | 12MB |
対応メモリ | DDR4-2666 | |
GPU | Intel UHD graphics 630 | |
CPUクーラー | × | |
アンロック | 対応 | |
TDP | 95W |
機能の違い
- メインストリーム向けとして、初めて「8コア/16スレッド」に対応した
- ヒートスプレッダとダイの間に、ハンダによる「STIM」を採用した
- アーキテクチャに「14nm++」を採用した
- 脆弱性対策を「ハードウェア」で行なった
Core i9-9900Kは下位のCore i7-9700Kと違い「16スレッド」で駆動することが大きいです。
しかも第8世代と違い「STIM」を採用していますから、より熱対策への対処が容易となります。
また脆弱性対策も強化され、よりセキュリティが高いCPUになったと言えます。
とはいえ、一部は「マイクロコード」や「ソフトウェア」による対策が必要です。
脆弱性対策状況一覧
ハードウェア対策は、新しいこの「第9世代Coreシリーズ」より導入となります。
しかし前述のとおり、全ての対策をハードウェアのみで行えるわけではありません。
脆弱性 | 問題 | 対策 |
---|---|---|
Spectre V2 | Branch Target Injection | マイクロコード + ソフトウェア |
Meltdown V3 | Rogue Data Cache Load | ハードウェア |
Meltdown V3a | Rogue System Register Read | マイクロコード + ソフトウェア |
V4 | Speculative Store Bypass | マイクロコード + ソフトウェア |
L1 | Terminal Fault | ハードウェア |
価格の違い
Core i9-9900Kの価格は、国内発売時に「税込65,980円」となる予定のため、
第8世代のメインストリーム向け最上位CPUであるCore i7-8086Kとの価格差は「約2,000円」です。
つまり仕様や機能の違いを考慮すれば、Core i9-9900Kを選択するほかありません。
まとめ
- Core i9-9900Kは8コアを搭載しているだけでなく「16スレッド」で駆動する
- Core i9-9900Kの最大駆動周波数は「5.00GHz」に達する
- Core i9-9900KのTDPは、Core i7-8086Kと同一の「95W」である
- Core i9-9900Kは高い性能を持つ反面、売れ筋CPUと比べると「価格も高い」
- Core i9-9900Kには、第8世代と同様に「CPUクーラー」が付属していない
- Core i9-9900Kの脆弱性対策は十分でなく「別の方法」でも行なう必要がある