敵プレイヤー配置&視線による心理分析の基礎知識

2014年5月3日

前回の記事(敵プレイヤー配置&視線によるマップ分析の基礎知識)の発展です。
この記事では相手の動きと視線から心理を分析し、状況に応じた対処を考えましょう。

仮定する条件が変わるだけで、対処方法は多岐にわたります。
戦闘頻度の高いマップで分析精度を高めれば、他のマップでも安定した立ち回りができるでしょう。

問題提起編:この記事
詳細解説編:心理分析の基礎知識補足(前提条件の解説と解答考察編)

心理分析基礎(出題編)

今回の教材は、ロッカーで新規に作成したもの。

map-gw-0

E拠点にいる自軍プレイヤーが敵分隊と戦闘し、そのうち最後に生存した敵プレイヤー(γ)が逃走。

map-gw-1-3

スポットを辿るとE拠点から離れout stairを経由し、図の位置で停止したようです。(画像はγの視点)

下記の条件をよく読み、各質問の解答を導き出して下さい。
各質問には拠点制圧の基礎知識と、拠点防衛の基礎知識がヒントとなるでしょう。

map-gw-2-2

αとβは自軍プレイヤーがγを視認するまでの移動時間とする

前提条件
1.自軍プレイヤーがγの分隊員をまとめて倒してから、6秒が経過している
2.E拠点は中立になったばかり
3.自軍プレイヤーは分隊に加入しておらず、スポットもされていない
4.γは足音を聞いておらず、マップも見ていない
5.敵軍に司令官は存在しない

Q.1(レベル1)

γがこの場所で停止した理由と、γの次の行動を推測せよ。

Q.2(レベル2)

α=5秒,β=7秒としたとき、γへの対処として最適なルートとその理由を答えよ。

Q.3(レベル3)

α=6秒,β=6秒としたとき、γへの対処として最適なルートとその理由を答えよ。

Q.4(レベル4)

条件5を設定しなければならなかった理由を1つ推測せよ。

Q.5(レベル5)

条件4を設定しない場合、注意すべき要素を全体マップを絡めて1つ推測せよ。
(γが足音を聞いたり、マップを見るプレイヤーだとする)

避けるべき解答

解答に移る前に、条件を無視した避けるべき解答を挙げておきます。

自軍プレイヤーがE拠点を制圧する

拠点制圧の基礎知識にて、一人で制圧に掛かる時間は約19.93秒必要だと解説しています。
条件1の経過時間を考慮しても、敵プレイヤーがいる状態でさらに14秒必要とする制圧は非現実的です。

自軍プレイヤーが分隊員の出撃を待つ

条件3より自軍プレイヤーから分隊員を出撃させることはできません。

γ分隊がE拠点から退避する

E拠点で戦闘したという前提から、γ分隊がE拠点を制圧しようとしていたと考えるのが自然。
さらにE拠点から退避するつもりであれば、out stairを登って停止する必要がありません。

心理分析基礎(解答編)

A.1(レベル1)

まず拠点防衛の基礎知識で解説した、再出撃可能時間(約11.33秒)を思い出します。

そしてγがout stairを視認できる場所で停止したことから、E拠点の制圧に慎重な姿勢を見せたと推測。
(もしγ分隊員がout stairで再出撃しているならば、人数の利に任せて停止せずE拠点へ向かってくる。
 そもそも条件1からγ分隊員が再出撃できるのは、γの停止時点から最速で5.33秒後。存在し得ない)

つまり解答はγ分隊員の再出撃待ちで、最速5.33秒後にγ分隊がE拠点へ向かってくるが正解です。

このときγ分隊が経由するルートは高度差により有利なE topの可能性が濃厚。
わざわざ不利になるout stair方面からE拠点へは、向かわないと考えましょう。

ちなみに停止した際、自分が通ってきたルート(out stair側)を警戒することはセオリーのひとつ。
図の上方を向いて停止すると、スポットを辿ってout stairから登ってきたプレイヤーにキルされます。

A.2(レベル2)

上記の通り再出撃可能時間は約11.33秒ですから、移動すべきルートはαのみ。(前提+5秒=11秒)

仮にβを選択すると約11.33秒を超え、γ分隊員が再出撃してしまうのです。(前提+7秒=13秒)
つまりE拠点へ向かうであろうγ分隊に、一人で対処しなければならない状況を生み出してしまいます。

補足として注意すべき点は11.33秒-11.00秒で、再出撃猶予が0.33秒しか無いこと。

さらに一般的な反射速度を0.20秒とすると、射撃猶予は0.13秒。(AIMの速度0秒の場合)
0.13秒では1000rpmのFAMASでさえ2.16発しか撃てず、2発ともヘッドショットが必要になります。

ダメージが50以上の銃器によるヘッドショット1発なら多少条件が緩くなりますが、時間的に厳しめ。
この問題は細かい方に理論上0.33秒では対処が難しいと、解答されてもおかしくない設定でした。

そのため射撃猶予を考慮した理由が付随されている場合のみ、βルートも正解とします。

A.3(レベル3)

こちらも同様に再出撃可能時間の約11.33秒を意識します。
この条件でαを選択すると、γおよび再出撃したγ分隊員と衝突してしまいます。(前提+6秒=12秒)

故にこの問題の解答はβで、E拠点へ向かうγ分隊の背中を取るが正解です。(前提+6秒=12秒)
γ分隊員再出撃後の突入タイミングは、再出撃後の着地音で判断すると良いでしょう。

A.4(レベル4)

この前提条件で司令官が存在する場合に注意すべきは、クイック出撃(再出撃速度の上昇)です。
もしこの効果がγ分隊に付与されていると再出撃が速まるため、今回の問題全てが破綻してしまいます。

ちなみにUAVを絡めた解答は不正解。
条件4によりγがマップを見ていないことを提示しているため、UAVの効果は無意味です。

A.5(レベル5)

これはγがマップを見ている場合、自軍プレイヤーの索敵を察知するからです。

拠点制圧時に全体マップを確認すると、拠点ゲージの円周が時計回りに増加していくことがわかります。
しかし一度拠点制圧可能範囲から離れると、拠点ゲージの円周が次第に反時計回りで減少していきます。

つまり全体マップさえ見ていれば、自軍プレイヤーがE拠点から離れたタイミングがわかるのです。

map-gw-3

p1の位置であれば、全体マップで確認できる拠点ゲージは増加する(制圧できる)
p2の位置であれば、全体マップで確認できる拠点ゲージは減少する(制圧できない)

仮に私がγの状況だとすれば、E拠点のゲージが減少し始めた時点でE topを警戒します。
この時すぐに戦闘にならない場合には、out stairから回って来る可能性が高いと判断するでしょう。

ちなみに足音で自軍プレイヤーの位置を察知するという解答だけでは不正解。
足音は隠せますし、問題の条件に全体マップを絡めるよう記載しているためです。

解答公開までの正答者

A.1公開時点(解答正解数と解答時間順)

-索敵論