【Zen 2】Ryzen 7 5700UとCore i7-1165G7との違い【性能比較】

2021年3月15日

Ryzen 7 5700UとCore i7-1165G7との違い

Ryzen 5000シリーズでありながら、Zen 2世代のアーキテクチャーを搭載したCPUのRyzen 7 5700U。
今回の記事ではこの「Ryzen 7 5700U」と「Core i7-1165G7」の性能を、ベンチマークで比較します。

CPUの性能比較

どちらのCPUもノートパソコンでは中~高価格帯に採用されている、モバイル向けの高性能CPUです。
Ryzen 7 5700UのほうがCore i7-1165G7に比べコアが多い反面、最大クロックが小さい傾向にあります。

CPUの性能比較

性能比較Ryzen 7 5700UCore i7-1165G7
コードネームLucienneTiger Lake
CPUコア数8コア4コア
スレッド数16スレッド8スレッド
基本クロック1.8GHz2.8GHz
最大クロック4.3GHz4.7GHz
L3キャッシュ合計8MB12MB
CMOS7nm10nm
パッケージFP6FCBGA1449
TDP15W28W
最大メモリー速度DDR4-3200
LPDDR4-4266
DDR4-3200
LPDDR4x-4267
GPU名AMD Radeon GraphicsIntel Iris Xe Graphics

CPUベンチマーク比較

毎回性能比較の慣例となっている「Cinebench」と「CPU-Z」のベンチマーク結果です。

2つのCPUの増減率を比較すると、Ryzen 7 5700Uが「Cinebench R20(Multi)で約69%優位」です。
またCPU-Z(Multi)の値を見るとさらに差が広がり、Ryzen 7 5700Uが100%以上の性能を示しています。

昨今のRyzenのマルチスレッド性能の高さは、Ryzen 7 5700Uにおいても十分期待できるでしょう。

Cinebenchmarkのベントマーク結果

CPU-Zのベントマーク結果

CPU性能比較Ryzen 7 5700UCore i7-1165G7増減率
Cinebench R20(Multi)39462337+69%
Cinebench R20(Single)493571-14%
CPU-Z(Multi)5492.92719.2+102%
CPU-Z(Single)532.0540.3-2%

GPUの性能比較

左の画像が、Ryzen 7 5700U搭載PCに内蔵されている「AMD Radeon Graphics」の情報です。
右の画像が、Core i7-1165G7搭載PCに内蔵されている「Intel Iris Xe Graphics」の情報です。

どちらの性能も内蔵GPUとしては高めで、軽めのゲームなら難なくこなせる水準にあります。

CPU-Zの情報



実機サンプル仕様比較

比較用の検証サンプルには似通ったスペックのものを用意していますが、あくまで別個体。
そのため記事内の全てのベンチマークは、参考値として認識して頂くようお願いいたします。

実機仕様比較Ryzen 7 5700U搭載PCCore i7-1165G7搭載PC
OSWindows 10 Home 64bitWindows 10 Pro 64bit
メモリ4GB×2(DDR4-3200)16GB×1(DDR4-3200)
ストレージ512GB SSD(M.2 NVMe)
グラフィックAMD Radeon GraphicsIntel Iris Xe Graphics

ゲーミング性能比較

GPUベンチマークを比較すると、Ryzen 7 5700Uが「Time Spyで約12%優位」です。
一部の値が存在しないのは、測定時期が異なり3DMarkのバージョン違いで非対応の項目があるためです。

ファイナルファンタジーXIVのベンチマーク

GPU性能比較Ryzen 7 5700UCore i7-1165G7増減率
Time Spy12841149+12%
Fire Strike32572781+17%
Night Raid1415711084+28%
Sky Diver-10848N/A
ドラゴンクエストX(1080p)89127749+15%
ファイナルファンタジーXIV(1080p)27891985+41%

総合性能比較(PCMark 10)

パソコンの総合的な性能を測定する目的で用いられる、ベンチマークソフト「PCMark 10」のデータです。
双方を比較すると、Ryzen 7 5700UがCore i7-1165G7に対して「総合スコアで約17%優位」です。

全体的にもRyzen 7 5700Uが優勢で、この結果を信用するならCore i7-1165G7よりも快適に使える印象。
問題はRyzen 7 5700Uを搭載しているパソコンの流通が少ないことであり、製品の選択肢が限られてきます。

Ryzen 7 5700Uに向く用途 ⇒ レンダリング、表計算、ビジネスアプリ
Core i7-1165G7に向く用途 ⇒ 映像編集、ウェブブラウジング、ワープロ

PCMark 10のベンチマーク結果

PCMark 10Ryzen 7 5700UCore i7-1165G7増減率
総合スコア54734685+17%
基本性能940194240%
アプリ起動速度1189511671+2%
ビデオチャット84058216+2%
ウェブブラウジング83128731-5%
ビジネスアプリ79046214+27%
表計算97565778+69%
ワープロ64056684-4%
コンテンツ制作59884766+26%
写真編集92457761+19%
レンダリング61712859+116%
映像編集37654881-23%

総合性能比較(PassMark)

追加で「PassMark」を用い、ベンチマークを測定してみました。
双方を比較すると、Ryzen 7 5700UがCore i7-1165G7に対して「PassMark Ratingで約62%優位」です。

PassMark

PassMarkのグラフ

PassMarkRyzen 7 5700UCore i7-1165G7増減率
PassMark Rating46912895+62%
CPU Mark1781811776+51%
2D Graphics Mark658306+115%
3D Graphics Mark24302634-8%
Memory Mark23822613-9%
Disk Mark133875026+166%

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