正弦波出力の常時商用小型UPSである、ユタカ電機製作所のUPSmini500SW。(YEUP-051MASW)
今回の記事では正弦波出力と矩形波出力の違いを含めて、この無停電電源装置をレビューします。
UPS(無停電電源装置)とは?
UPS(無停電電源装置)とは、突然の停電時に機能する「バックアップ電源」のことです。
パソコンの電源を強制切断すると、起動不能や安定性の低下に陥りがち。
そんなときUPSがあれば、短い時間ではあるものの安全にシャットダウンするまでの時間が稼げます。
そのためノートPCのようにバッテリーを内蔵していない、デスクトップパソコンやBTOパソコン、
NASやHDDレコーダーなどには、可能な限り導入すべき製品だと言えるでしょう。
ちなみに下のモデルは、一般家庭向けUPSの定番とされているオムロンの「BY50S」です。
購入しやすい価格帯であるオムロンの「BY/BWシリーズ」は、全て正弦波出力ですから安心です。
正弦波出力と矩形波出力の違い
UPSには電源を供給可能な容量のほか、正弦波出力と矩形波出力という2種類の電流形式が存在します。
家庭内のACコンセントに近い方式は前者の「正弦波出力」で、より安定した駆動が可能です。
逆に矩形波出力はUPS本体の価格が安く導入しやすい利点がある反面、正弦波出力に比べると不安定。
とくにパソコンに搭載されているのは、正弦波出力推奨の力率改善回路搭載の電源(PFC電源)です。
つまり矩形波出力のUPSでは、いざという時にバックアップ電源として機能しないことも……
そのためパソコン用にUPSを導入するのであれば、必ず正弦波出力の製品を選びましょう。
UPSmini500SWの特長
- 長寿命バッテリー
- 期待寿命7年の長寿命バッテリーを搭載し、ランニングコストが安いです。
- ソフト同梱
- 多彩な機能が利用可能な、UPS監視ソフトウェア「FeliSafe Pro」が付属です。
- 3年間保証付き
- 消耗品以外の故障について、3年間の保守サービスが受けられます。
商品説明
UPSという製品ジャンルのため、商品パッケージは大きめです。
今回紹介する「UPSmini500SW」は正弦波出力に対応しており、出力容量は500VA/300Wです。
この500VA/300Wとは、300Wの100%負荷時に約3.5分間のバックアップが可能な設計。
しかし負荷が下がれば下がるほど、より長時間のバックアップを実現します。
パッケージの右側には、その他の機能について記載されています。
パッケージの裏面には、3つの大きな機能について掲載されています。
商品内容はUPS本体、RS232Cケーブル、取扱説明書、電源変換コネクタの4点です。
(ちなみに撮影し忘れていましたが、USBケーブルも同梱されています)
ただし取扱説明書とともに、ソフトウェアCDとゴム足が包装されています。
UPSの正面には電源スイッチやブザーOFFスイッチのほか、アクセスランプを備えています。
UPSの側面です。
通常の縦置きのほか、四隅に付属のゴム足を付けて横置きにすることもできます。
UPSの背面にはACコンセントに加え、パソコンと接続するためのUSBやRS232Cを搭載。
さらに各機能を有効/無効化する設定スイッチや、サーキットブレーカも存在します。
UPS本体から伸びる電源ケーブルの先は、3Pといわれるタイプです。
しかし同梱の変換コネクタを利用すれば、一般的な2Pに変換できます。
まとめ
経済的な常時商用給電方式を採用した、出力容量500VA/300Wで正弦波出力のUPSです。
期待寿命7年のバッテリーを搭載しているため、メンテナンスコストの低減にも貢献します。
また本体に冷却ファンを搭載しない「ファンレス設計」でもあり、動作音は聞こえない水準。
使用中の筐体はほんのり暖かい程度で、日の当たる場所を避けて設置すれば問題ないでしょう。
さらにUPS監視ソフトウェアである「FeliSafe Pro」だけでなく、3年保証が標準で付属。
前者を利用すれば、停電時に自動でパソコンをシャットダウンすることも可能となります。
そのほか「コールドスタート機能」を搭載しており、非常時のポータブル電源としても利用可能です。
実際の使用感は今のところ問題なく、以前のUPSとの違いに驚いている状況。
以前のUPSは爆音のファンを搭載していながら、常時触れないほど高熱でした。
しかし今回のUPSmini500SWは全く無音と言って差し支えなく、別部屋に設置する必要もありません。
気になる点を挙げるとすれば、謳うほどコンパクトでないことと、プラスチック筐体であることです。
- 期待寿命7年という、長寿命バッテリーを搭載
- 別途購入する必要のない、監視ソフトウェア同梱
- 耳障りなファンが存在しないうえ、3年間保証も付属
- あまり実感できない、公式が謳うコンパクトサイズ
- 放熱性に疑問のある、プラスチック製ケース
- メーカーの知名度が低い(オムロンやAPCと比較して)