様々なメーカーが扱っているだけでなく、豊富な種類で選択しにくい無線ルーター。
今回の記事では無線ルーターの規格および速度の違いや、用語について解説します。
用語について
Wi-Fi
Wi-Fiとは、無線通信を利用してデータの送受信を行うネットワークシステムのことです。
通常であればLANケーブルの有線接続が必要ですが、Wi-Fiではそれをワイヤレス化できます。
そのため使用する場所を限定することなく、様々な機器を接続したり連携することが可能。
電波の範囲内であれば、移動しながらインターネットを楽しむことができる点も便利です。
そのほか固定回線をWi-Fi化すれば、スマートフォンやタブレットのパケット節約にも貢献。
なぜならWi-Fiを利用した通信ではパケットを消費しないため、通信量制限を受ける心配がありません。
※ただしWi-Fi化している固定回線が、通信量制限を実地していない業者に限る
SSID
Wi-Fiの接続を行う際に必要となる、接続先のこと。
英字や数字で構成されており、特殊な設定がされていない限り周囲をWi-Fi検索すれば表示されます。
セキュリティキー
Wi-Fiの接続を行う際に必要となる、パスワードのこと。
Wi-Fiの接続を確立させるには、SSIDを選択した後でセキュリティーを入力しなければなりません。
モバイル回線とWi-Fiの比較
モバイル回線 | Wi-Fi |
|
---|---|---|
通信速度 | 電波状況により変動 | 安定した高速通信 |
通信量制限 | 利用しすぎると速度が落ち込む | 基本的に無制限 |
アプリのダウンロード容量 | アプリによりサイズ制限がある | 基本的に無制限 |
通信可能範囲 | 携帯の電波が拾える場所 | 主に宅内 |
パケット通信量 | 利用量に応じて増加する | 利用量に関わらず一定 |
モバイル回線は、Wi-Fiの有無に関わらずネットワークに接続できることが利点。
その反面使いすぎると通信量制限に陥り、快適な通信を再開するために追加費用が必要となります。
Wi-Fiはモバイル回線と違い、通信量の制限がないことが利点。
しかし使用できる範囲が限られており、基本的にいつでもどこでも利用できるとは限りません。
例えば、外出中にパソコンでWi-Fiを利用したインターネットを行いたい場合、
テザリングを有効化したスマートフォンや、モバイルルーターが必要となります。
規格について
5GHz
混信が少ないため、安定した高速通信が行える周波数帯のこと。
チャネル数が多く、大別すると11a、11n/a、11acの順で高速な規格になっています。
2.4GHzに比べて快適な通信が行えるため、基本的にはこちらの周波数帯を使いましょう。
ちなみに、無線ルーターの最大速度とアンテナの本数の関係は下記の通りです。
433Mbps ⇒ 1本
866Mbps ⇒ 2本
1300Mbps ⇒ 3本
1733Mbps ⇒ 4本
2.4GHz
障害物の影響を受けにくい、高速通信が行える周波数帯のこと。
対応機器が多く、大別すると11b、11g、11n/gの順で高速な規格になっています。
5GHzでは接続できない場合、こちらの周波数帯を使うと良いでしょう。
11ac
現在最も高速な通信が行える、5GHz帯の規格のひとつ。
最近では対応スマートフォンも増加しており、とくに映像視聴面で他の規格よりも優位です。
5GHzと2.4GHzの利点と欠点
5GHzと2.4GHzでは、得意・不得意な環境が違います。
そのため、あらゆる状況下において5GHzが優れているとは言えません。
5GHzについて
障害物が少ない環境下で利点を発揮しやすい周波数帯です。
2.4GHzに比べ安定した通信が行えるため、ゲームや映像視聴に向いていると言えるでしょう。
使用に向く環境 ⇒ 無線ルーターと使用する端末が同じ部屋、同じフロアなど
- 高速で安定した通信が行える
- 混信やノイズの影響を受けにくい
- 障害物に弱く、到達距離も短い
2.4GHzについて
障害物が多かったり、階層の違う環境下で利点を発揮しやすい周波数帯です。
5GHzでは接続ができない場所でも、問題なく接続できることが少なくありません。
使用に向く環境 ⇒ 無線ルーターと使用する端末が離れた部屋、違うフロアなど
- 障害物に強く、到達距離が長い
- 対応している機器が多い
- 混信やノイズの影響を受けやすい
無線ルーターの選び方
選択すべき無線ルーターは、下記の項目によって変わります。
a:無線ルーターを設置する位置と、主に使う端末との距離
b:Wi-Fiでインターネットを同時に利用する端末の数
c:Wi-Fiで主に利用する用途
1P | 2P | 3P |
|
---|---|---|---|
端末との距離 | 同フロア | 1階と2階 | 1階と3階 |
同時利用の数 | 2台まで | 4台まで | 5台以上 |
主な利用用途 | 軽いサイトの閲覧 | ネットゲーム | 動画視聴 |
この表で該当するポイントを加算し、その合計値がおすすめする無線ルーターです。
3~4P:ローエンド
5~6P:ミドルエンド
7~9P:ハイエンド
ローエンド
パッケージに433Mbpsや866Mbpsと記載されている価格帯の無線ルーターです。
この価格帯は無線ルーターと端末の距離が近かったり、端末の数が少ないユーザーに向いています。
ただし安価なぶん、高画質動画の視聴や複数台の同時接続には向きません。
ミドルエンド
パッケージに867Mbpsや1300Mbpsと記載されている価格帯の無線ルーターです。
この価格帯はある程度快適に利用したいが、コストを抑えたいというユーザーに向いています。
2~3本のアンテナを搭載しているため、余程負荷をかける環境下で無い限り不満は出ないでしょう。
ハイエンド
パッケージに1300Mbpsや1733Mbpsと記載されている価格帯の無線ルーターです。
この価格帯はコストをあまり気にせず、快適なWi-Fi環境を整えたいユーザーに向いています。
MU-MIMOやビームフォーミングにもまず対応しており、複数台での動画視聴も難なくこなせます。
無線ルーターが故障するまで数年利用することを考えると、それほど損をしない選択肢だと言えます。