Phison製のハイエンドコントローラ「PS3112-S12」を搭載した、MG4VTシリーズのCSSD-S6B01TMG4VT。
今回の記事ではこの「CSSD-S6B01TMG4VT」の性能や速度について、製品画像と併せて解説します。
CSSD-S6B01TMG4VTの特長
CSSD-S6B01TMG4VTの特長まとめ
- Phison製のハイエンドコントローラ「PS3112-S12」を搭載している
- BiCSフラッシュとDDR3Lキャッシュメモリを採用している
- 書き込み耐久性を表すTBW(Terabyte Writte)が「1500TBW」と極めて高い
- SATA接続のため速度で劣る反面、M.2規格に比べると「汎用性」に優れている
- メーカー保証が「5年」という十分な期間である
CSSD-S6B01TMG4VTの仕様
型番 | CSSD-S6B01TMG4VT |
---|---|
JANコード | 4988755048491 |
容量 | 1TB |
実容量 | 954GB |
最大読込速度 | 560MB/s |
最大書込速度 | 540MB/s |
最大ランダムリード | 95K IOPS |
最大ランダムライト | 90K IOPS |
フォームファクタ | 2.5 inch(7mm) |
インターフェース | SATA 6Gb/s |
NANDタイプ | 3D NAND(BiCS フラッシュ) |
コントローラー | Phison PS3112-S12 |
DRAMキャッシュ | 256MB |
総書き込み容量(TBW) | 1500TBW |
平均故障間隔(MTBF) | - |
保証期間 | 5年 |
TBWとは?
SSDの仕様上避けることができない「メモリの書き換え制限回数」のこと。
各メーカーの仕様上ではTBW(Total Byte Written)という、総書き込み容量として表記されています。
TBWの限界に達した場合のトラブル例
- データの書き込みができなくなる
- データにエラーが発生し始める
- エラーの発生部分により、システム障害が起こりうる
TBWの限界に達した場合のトラブル例はこれらであり、使用用途によっては「SSDの選定」が必要です。
例えばOSをインストールするシステムドライブであればあまり気にする必要はありませんが「動画ファイルの保存先として使う」「最近のゲームを頻繁に入れ替える」ということを目的にしている場合には、TBWの数値が大きいものを選択すると良いでしょう。
そのほか避けるべきことは「デフラグを行う」「ゲームプレイの録画キャッシュ先として使う」などです。
どちらも大きな書き込み量が想定されるため、SSDの寿命を著しく縮めてしまいます。
ちなみに今回の「CSSD-S6B01TMG4VT」のTBWは、前述の通り1500TBWと同価格帯では圧倒的。
仮に1日の書き込み量をいくつか想定した場合における、1500TBへの到達期間は下記のとおりです。
書き込み量 | 寿命までの日数 | 寿命までの年数 |
---|---|---|
50GB/日 | 約30720日 | 約84年 |
100GB/日 | 約15360日 | 約42年 |
200GB/日 | 約7680日 | 約21年 |
400GB/日 | 約3840日 | 約11年 |
600GB/日 | 約2560日 | 約7年 |
800GB/日 | 約1920日 | 約5年 |
1000GB/日 | 約1500日 | 約4年 |
CSSD-S6B01TMG4VTの外観
CSSD-S6B01TMG4VTのパッケージです。
パッケージ裏面右上には、商品の特長が記載されています。
パッケージ内容はSSD本体のみで、ネジはおろか取扱説明書もありません。
当然変換マウンタや、データ引っ越しソフトもありませんから注意しましょう。
本体裏面には、ファームウェアのバージョンやシリアルナンバーの記載があります。
CSSD-S6B01TMG4VTの重量は、実測で「約46g」でした。
CSSD-S6B01TMG4VTの性能
CrystalDiskInfo 8.2.0 x64
開梱直後で電源投入回数「6回」でしたが、総書き込み量(ホスト)は「1」でした。
ちなみにCrystalDiskInfoで表示される型番は「CSSD-MG4VT」です。
CrystalDiskMark 6.0.2 x64
AS SSD Benchmark 2.0.6821.41776
ATTO Disk Benchmark 4.01.0f1
HD Tune 2.55
詳細レビュー
最新のテクノロジーを採用したことで、圧倒的な書き込み耐性を実現した1TBのSSDです。
その耐久性は公式で「1500TBW」だと謳っており、この表記を素直に信じれば動画の保存先にも使用可能。
売れ筋のSSDは耐久性を犠牲にして低コストを実現しているため、大きなデータの書き換えには向きません。
またこの特長は、常時ゲームプレイを録画するような「NVIDIA ShadowPlay」の出力先としても最適。
自身のように録画したファイルから画像を切り出すようなユーザーには、出力先をSSDにすることで後の画像編集が極めて快適となります。
ただしこの使用方法を耐久性の低いSSDで行ってしまうと、容易に書き換え制限に到達してしまう欠点も。
HDDには存在しないSSDのこの仕様は製品情報のTBWである程度判断できますが、メーカーによっては表記していないことがあるため注意が必要です。
ちなみに製品の速度目安はベンチマークを参考にしてもらうとして、実際の使用感は並といった印象。
そもそも昨今ではSSDの登場時期のような「ハズレ」には当たりにくいですから、余程のことがない限り性能差を体感しにくいです。
――最後にひとつ懸念事項を挙げるとするなら、やはり何度も記載している耐久性について。
同価格帯にこれほどの書き換え耐性を持つ製品が存在しないため、安易に信用できない部分があります。
そもそもこれまでCFDは他社製品を自社パッケージで販売する会社だと認識しており、CFDが新製品を出す際にはその元となるメーカーが同仕様の製品を出すのが常。
今回はそのような製品も見つかりませんから、しばらく重要でないデータの保存先として様子を見てみます。
レビューまとめ
- 極めて高い書き込み耐性により、ShadowPlayの保存先にも使える
- SATA SSDとして、実用十分な速度を備えている
- 保証範囲が明示されていないとはいえ、5年保証が付属している
- 同価格帯にTBWで競合する製品がなく、実際の耐久性が未知数である
- 付属品が一切同梱されておらず、ダウンロード可能なバンドルソフトもない
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