これまで主流だったSATA SSDに代わり、BTO PCやモバイルPCへの導入が増加しているM.2 SSD。
今回の記事ではこの「M.2 SSD」のサイズや規格の違いをまとめ、選択すべき製品を解説します。
M.2とは?
基本的にマザーボードへ直接取り付ける、薄いスティック状のインターフェースのこと。
最近ではSSD用として用いられることが多く、配線不要のストレージとして利用できます。
M.2のサイズ
現在主流となっているM.2 SSDのサイズは「Type 2280」です。
数字の前2つが幅、後ろが長さを表しており、Type 2280の場合は「幅22mm×長さ80mm」です。
ちなみに幅は「12 / 16 / 22 / 30mm」の4種類が存在し、
長さは「16 / 26 / 30 / 38 / 42 / 60 / 80 / 110mm」の8種類が存在します。
ただし流通するサイズはほぼ限られており、特殊なサイズのものはまず見かけません。
M.2の端子
M.2の端子は1種類ではなく「Key ID」により、切り抜かれるピンの位置が決まっています。
現在流通しているのは主に「B key」と「M key」に「B&M key」を加えた「3種類」です。
一般的なM.2 SSDではB keyが「SATA接続」で、M keyが「PCIe」接続のものが多く、
各Key IDとマザーボードが搭載しているM.2スロットとの対応表は下記の通りです。
ソケット | B key | M key | B&M key |
---|---|---|---|
Socket 2(B key) | 対応 | × | 対応 |
Socket 3(M key) | × | 対応 | 対応 |
参考元:Wikipedia
M.2の速度
M.2は一概に速いとは言えず、内部の接続方法が「SATA」か「PCIe」かによって速度が左右されます。
前者は速度が抑え目であるものの熱を持ちにくく、後者は速度に優れるものの熱を持ちやすいです。
またPCIeタイプの場合は「AHCI対応」と「NVMe対応」があり、NVMeがより高い性能を備えます。
例えばこの図を例にすると、NVMe対応製品のほうが優れたランダムアクセス速度だと言えます。
M.2のスロット
まずおさらいしておくべきことは、M.2には「B key / M key / B&M key」の3種類あることです。
また現在主に流通しているのは、切り抜きが1つの「M key」対応M.2 SSD(PCIe)と、
切り抜きが2つの「B&M key」対応M.2 SSD(SATA)です。
そしてマザーボードにはM.2スロットが2個あるものが多く、
片方が「SATA / PCIe」両対応、もう片方が「PCIe」専用であることが多いです。
ちなみにスロットは、M keyとB&M keyの両方に対応可能な「Socket 3」が主となっており、
認識の可否や速度の変化はあるにしろ、M.2 SSDが「物理的に刺さらないこと」はありません。
そのほかマザーボードによっては、M.2 SSDの接続スロットや認識させる規格によって、
マザーボード上に搭載されているSATAコネクタが、一部利用できなくなることがあります。
参考記事:ツクモ福岡店
切り抜き1つ:M key採用のM.2 SSD(PCIe)
切り抜き2つ:B&M key採用のM.2 SSD(SATA)
スロット | 切り抜き1つ | 切り抜き2つ |
---|---|---|
SATA / PCIe両対応 (Socket 3) |
対応 | 対応 |
SATA専用(Socket 2) | ×刺さらない | 対応 |
PCIe専用(Socket 3) | 対応 | ×認識しない |
まとめ
M.2 SSDのサイズや規格の違い
- M.2で主に流通しているサイズは、幅22mm×長さ80mmの「Type 2280」である
- M.2 SSDにはSATA接続とPCIe接続があり、後者の「M.2 SSD(PCIe)」のほうが速い
- M.2 SSD(PCIe)にはAHCI対応とNVMe対応があり、後者の「NVMe対応」のほうが速い
- M.2 SSDが難しいと感じたら、素直にSATA SSDを選択する
- M.2 SSDを購入するなら、NVMe対応のM.2 SSD(PCIe)を選ぶ
- M.2 SSD(PCIe)は、SATA / PCIe両対応のスロットに挿す
- M.2 SSD(PCIe)は発熱しやすいため、熱対策に気をつける
- M.2 SSD(SATA)は、SATA SSDと性能に大きな違いがない
- M.2 SSD(SATA)は、スロットを間違えると認識しない
- M.2 SSDを搭載すると、SATAコネクタが使えなくなることがある