MVNOに分類される格安SIMの台頭や、キャリアのオンラインプラン登場でさらに混沌化する携帯業界。
今回の記事では各所で騙されないために意識すべき、お得な携帯の契約方法を言える範囲で解説します。
お得な携帯の契約方法
料金やサービスの解説に入る前に、携帯(スマートフォン)のお得な契約方法について案内しておきます。
昨今は様々な動画チャンネルやブログなどで、格安SIM全般やオンラインショップを勧められがちです。
しかしこれらの方法は月額では安く見えるものの、一定期間使用した場合での総額コストでは損になります。
その理由は諸般の事情により明らかにできませんが、いくつかの実店舗で見積もりを取ればわかるはずです。
携帯に詳しい人間は「主要なサブブランド以外の格安SIM」や「オンラインショップ」は利用しません。
全てとは言いませんがこの2つを勧めている人はおそらく「詳しくない」か「紹介料」が目的でしょうから、十分注意してください。
お得な携帯の契約方法
- 店頭サポートが非対応となっている格安SIMと契約しない
- キャリアが運営しているオンラインショップを利用しない
- キャリアが販売しているスマートフォンを購入しない
- 家電量販店やキャリアの看板を掲げている実店舗に行く
- 実店舗に行く場合は可能な限り詳しい人間を連れて行き、即決しない
- 実店舗をいくつか梯子して見積もりを取り、最も良い条件を引き出す
- 家電量販店を利用する場合は、ジャンパーの異なるキャリア別に聞く
- 組み合わせるインターネットサービスは、事業者変更のできるNTT系を選ぶ
格安SIMについて
『携帯料金を節約したい』という要望に対し、最もありがちな回答が「格安SIMに乗り換えること」です。
確かに格安SIMはキャリアに比べて安く、数が多いためユーザーの要望に合う会社が選べるように見えます。
しかし低容量の場合、私がオススメしているUQ mobileとY!mobileに比べると月額での料金差は数百円程度。
『それでも年で数千円違うから』と格安SIMに乗り換えを勧める人もいますが、私は候補にすら挙げません。
その理由はかつてほどではないとはいえ、キャリアやサブブランドに比べて通信品質が落ちるためです。
またサポート面も弱く、携帯料金に詳しくない人達をあえて誘導することに私は詐欺感が拭えません。
そもそも携帯に詳しくない人ほど店頭サポートありのUQ mobileやY!mobileを選ぶべきですし、携帯に詳しい人はそもそも格安SIMを契約しません。
正直格安SIMを選ぶのは総合コストを考慮していない「にわか」であり、ましてや人に勧めるのは論外です。
もしこの表現に疑問を持つのであれば、ぜひ一度家電量販店やキャリアショップを訪ねてみてください。
『実店舗に行くな。オンラインで契約しろ』という声も聞かれますが、おそらく携帯業界を知らない人です。
もちろん実店舗にひとりで行くことは非推奨ですが、詳しい人間と行くのならその限りではありません。
オンラインショップについて
実店舗を勧める理由は後述しますが、私は「オンラインショップでの契約も避けるべき」だと回答します。
確かに実店舗で不要な「頭金」や本来必要な事務手数料が削減できるという、明確なメリットは存在します。
それでも「他社に見られても良いキャンペーンしか掲載できない」という点が、大きなデメリットです。
オンラインショップは誰でも利用できる反面、競合他社に指摘を受けない表現に注意しなければなりません。
そのためキャンペーンは公開しても問題ない程度の内容に留まり、実店舗に比べると比較すら烏滸がましい。
ごく稀にオンライン限定の端末割引も存在しますが、キャリア版は元の価格が高いためそれで相殺されます。
オンラインショップがお得になる人間がいるとするなら、僅かな時間も割けない時給数万レベルの人だけ。
もし時給数万に達していないなら、実店舗で掲示不可のお得なキャンペーンを探すほうが賢明だと言えます。
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端末の購入方法について
携帯業界で「端末」と表現した場合はまずスマートフォン、次いでモバイルルーターなどの機器を指します。
現在端末にはキャリア版とSIMフリー版が存在しており、比較的認知度が高いのは前者のキャリア版です。
かつてのキャリア版は「SIMロック」が存在し、他社で利用するにはそれを解除する必要がありました。
しかしある期間以後流通している端末にはSIMロックが存在せず、また完全に分離販売されている状況です。
未だに勘違いされているのは「キャリアで端末を買うと分割払い中に乗り換えができない」という認識です。
上記のとおり今は分割販売されていますから、極端に言えば購入した翌日に乗り換えることすらできます。
また基本的にiPhoneを除くキャリア版の端末は、一部を除いてそのキャリアに適した「バンド」が設定済み。
そのためSIMロックを解除しても、乗り換え先の通信会社でその端末の性能が発揮できない場合があります。
つまりキャリアで購入すべきはiPhoneのみで、iPhoneを除く端末はSIMフリー版を購入したほうが無難です。
もっともそのiPhoneですらAppleのSIMフリー版に比べ高価なため、全端末SIMフリー版を購入すべきですが。
ただしSIMフリー版を購入する場合は、必ず事前に店舗でキャンペーンを確認しておきましょう。
店舗のキャンペーンを利用すれば、SIMフリーよりもお得に買えることが少なくありません。
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キャリア版を購入するメリットを挙げるとすれば、残価設定型の購入プランを利用して端末が使えること。
これは「約2年を目処に返却するか残価を支払うか」を決めるもので、後者を選ぶと残価が再分割されます。
約2年後に新端末に変えたければキャリアに返却すればよく、気に入ったり面倒なら残価を払う形式です。
SIMフリー版ではこの残価が設定できず分割払い選択時に金利も発生しますから、一長一短だと言えます。
もちろん返却する際には規定の条件に見合う状態でなければいけませんので、2年間綺麗に使いましょう。
『返却できるから』と雑に扱うと、補償オプション未加入の場合に最大22,000円の支払いが発生します。
そのほかキャリア独自の補償が付けられる点も、月額ありかつ利用時実費だと言えメリットのひとつです。
実店舗を利用する理由
ここまで「格安SIMやオンラインショップを利用しない理由」について取り上げました。
それらの理由を要約すると「損するから」であり、詐欺や騙しを行わない自分には到底勧められません。
確かに実店舗には「生活のためには仕方ない」という人間が存在し、彼らの発言を鵜呑みにすると危険です。
それでも中には交渉次第で「店頭掲示不可の特典」を引き出せることがあり、総じてかなりの得になります。
実店舗で行うべきことは、基本的に「SIM乗り換えした場合どのような特典があるか」を聞き出すことです。
SIM乗り換えは店舗にとって最も重要なMNPの件数を挙げられる案件であり、手間なく実績が挙げられます。
仮によくありがちな端末セットの場合、初期設定やデータ移行に時間が取られ回転率に影響を及ぼします。
そのため手早く実績を積み上げられるSIM乗り換えは手放しで好まれやすく、そのぶん特典交渉も捗ります。
なにせSIM乗り換えの1件も端末セットの1件も同じなのですから、それなら拘束時間が短いほうが正義です。
このとき注意すべきは「可能な限り詳しい人間を連れて行くこと」または「事前に相場を知ること」です。
もし相場がわからないとその特典が得なのか損なのか判別する手立てがなく、困り果てることになります。
どうにも周囲に詳しい人間がいないときの対策は、即決せずに様々な店舗を周って見積もりを取ることです。
時間を無駄に浪費することが欠点ですが、携帯料金は毎月のコストに関わるものですから後で取り返せます。
また店舗を回っているうちに相場感が育ち、また繰り返すことでスタッフごとの傾向を知ることもできます。
経験値が貯まれば見るだけで誰が決定権を持っているか、またどこまでの特典が引き出せるかもわかります。
さらに特典を引き出したいのであれば乗り換えの数を増やすことで、複数台特典や相対特典も狙えます。
時期によっては端末を同時購入したほうが良いこともあり、これは割引額とタイミング次第となります。
少なくとも冒頭で案内した格安SIMやオンラインショップに比べお得になりますから、ぜひ試すべきです。
これらの情報を『嘘だ』と判断するのは、実店舗で話を確認してからでもきっと遅くはないはずです。
コラボ光を選択すべき理由
ちなみに「コラボ光を選択すべき理由」は、別記事で詳しく解説しています。
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