【7nm】Ryzen 5 4500UとCore i5-1135G7との違い【性能比較】

2021年3月29日

Ryzen 5 4500UとCore i5-1135G7との違い

中価格帯のモバイル向けノートPCに採用されている、6コアのRyzen 5 4500Uと4コアのCore i5-1135G7。
今回の記事ではこの「Ryzen 5 4500U」と競合の「Core i5-1135G7」の性能を、ベンチマークで比較します。

CPUの性能比較

Ryzen 5 4500Uは6コア6スレッドで駆動し、Core i5-1135G7は4コア8スレッドで駆動する設計です。
後者はハイパースレッディングの影響で4コアながらスレッド数で勝っており、またクロックも高いです。

CPUの性能比較

性能比較Ryzen 5 4500UCore i5-1135G7
コードネームRenoirTiger Lake
CPUコア数6コア4コア
スレッド数6スレッド8スレッド
基本クロック2.3GHz2.4GHz
最大クロック4.0GHz4.2GHz
L3キャッシュ合計8MB
CMOS7nm10nm
パッケージFP6FCBGA1449
PCI ExpressPCIe 3.0PCIe 4.0
TDP15W28W
最大メモリー速度DDR4-3200
LPDDR4-4266
DDR4-3200
LPDDR4x-4267
GPU名AMD Radeon GraphicsIntel Iris Xe Graphics
GPU周波数1500MHz1300MHz

CPUベンチマーク比較

毎回性能比較の慣例となっている「Cinebench」と「CPU-Z」のベンチマーク結果です。

2つのCPUの増減率を比較すると、Ryzen 5 4500Uが「Cinebench R20(Multi)で約7%優位」です。
この傾向はCinebench R23でも同様となっており、シングルスレッドではCore i5-1135G7に劣ります。

また注意すべきは、CPU-Z(Single)の結果です。

Ryzen 5 4500Uは何度測定しても、なぜかCPU-Z(Single)が86前後から変化しませんでした。
Cinebench(Single)は新旧のどちらでも結果が出ているため、単なるバグなのかもしれません。

Cinebench R20の性能比較

Cinebench R23の性能比較

CPU-Zの性能比較

CPU性能比較Ryzen 5 4500UCore i5-1135G7増減率
Cinebench R20(Multi)22092058+7%
Cinebench R20(Single)447516-13%
Cinebench R23(Multi)56325448+3%
Cinebench R23(Single)11181367-18%
CPU-Z(Multi)2501.72626.0-5%
CPU-Z(Single)86.4559.2-85%

GPUの性能比較

左の画像が、Ryzen 5 4500U搭載PCに内蔵されている「AMD Radeon Graphics」の情報です。
右の画像が、Core i5-1135G7搭載PCに内蔵されている「Intel Iris Xe Graphics」の情報です。

GPUの性能比較



検証機仕様比較

比較用の検証サンプルには似通ったスペックのものを用意していますが、あくまで別個体。
そのため記事内の全てのベンチマークは、参考値として認識して頂くようお願いいたします。

検証機仕様比較Ryzen 5 4500UCore i5-1135G7
OSWindows 10 Home 64bit
メモリ4GB×2(DDR4-3200)
ストレージ512GB SSD(NVMe)256GB SSD(NVMe)
グラフィックAMD Radeon GraphicsIntel Iris Xe Graphics

ゲーミング性能比較

GPUベンチマークを比較すると、Ryzen 5 4500Uが「Time Spyで約22%劣位」です。
一部の値が存在しないのは、測定時期が異なり3DMarkのバージョン違いで非対応の項目があるためです。

ゲーミング性能比較

GPU性能比較Ryzen 5 4500UCore i5-1135G7増減率
Time Spy9451214-22%
Fire Strike25933003-14%
Night Raid1116512407-10%
Sky Diver-11356N/A
ドラゴンクエストX(1080p)73818962-18%
ファイナルファンタジーXIV(1080p)239824050%

総合性能比較(PCMark 10)

パソコンの総合的な性能を測定する目的で用いられる、ベンチマークソフト「PCMark 10」のデータです。
双方を比較すると、Ryzen 5 4500UがCore i5-1135G7に対して「総合スコアで約8%劣位」です。

参考結果とはいえ、PCMark 10における12個の測定項目においてRyzen 5 4500Uが優位なのは3項目のみ。
残りの9項目はCore i5-1135G7のほうが優秀であり、とくに動画や画像の編集用途で差がついています。

Ryzen 5 4500Uに向く用途 ⇒ 表計算、レンダリング、ビジネスアプリ
Core i5-1135G7に向く用途 ⇒ 映像編集、写真編集、アプリ起動速度

PCMark 10の性能比較

PCMark 10Ryzen 5 4500UCore i5-1135G7増減率
総合スコア43404699-8%
基本性能82029649-15%
アプリ起動速度986112601-22%
ビデオチャット71868172-12%
ウェブブラウジング77878724-11%
ビジネスアプリ66626272+6%
表計算79645647+41%
ワープロ55746967-20%
コンテンツ制作40614652-13%
写真編集53197023-24%
レンダリング40622946+38%
映像編集31004867-36%



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