【CMR】WD80EAZZとWD60EZAZ-RTの違い【SMR】

WD80EAZZとWD60EZAZ-RTの違い

記録方式にCMRを採用した8TB HDDのWD80EAZZと、記録方式にSMRを採用した6TB HDDのWD60EZAZ-RT。
今回の記事ではCMRとSMRの違いや双方の性能および容量別単価を、ベンチマーク結果を含めて比較します。

CMRとSMRの違い

CMRとSMRの違いをざっくり説明すると「同じ範囲内に記録できるデータサイズ」にあると言えます。
例えばディスク内のスペースを「d」とすると、CMRよりもSMRのほうがより多くのデータを記録できます。

その理由はSMRがデータを重ね合わせている点にあり、CMRは各データが独立しているイメージです。
(図はあくまでサンプル。重ね合わせをわかりやすくするため、SMRはデータを段差上に表記しています)

これだけ見るとSMRが有利に見えますが、SMRは重ね合わせた部分へ書き込みができないことが欠点です。
そのため一部のデータをキャッシュに退避して書き換える必要があることから、転送速度はCMRに劣ります。

CMRとSMRの違い

CMR ⇒ 容量あたりのコストが高い。しかし使い込んだ際における転送速度の低下が少ない 
SMR ⇒ 容量あたりのコストが低い。しかし使い込んだ際における転送速度の低下が大きい

まとめると、使用環境に向くのはこの傾向だと言えるでしょうか。

・頻繁にデータを入れ替える ⇒ CMR
・頻繁にデータを入れ替えない ⇒ SMR

WD80EAZZとWD60EZAZ-RTの価格比較

Amazon.co.jpで販売されている通販専用型番の「WD80EAZZ-EC」と「WD60EZAZ-EC」を比較してみました。
どちらも型番末尾のECは「流通経路を表している」とされ、EC無しの製品と性能の違いは無いようです。

また紹介している商品リンクで確認した、記事作成時点における容量別単価は下記のとおりです。
結果を見ると容量別単価にほぼ違いはありませんから、より大容量でCMRのWD80EAZZがオススメです。

例えば48TBのデータを保存する際、8TBなら6台、6TBなら8台のHDDを用意する必要があります。
もちろん1台故障した時のダメージは8TBのほうが大きいですが、保管を含めたデータの管理は容易です。

価格比較WD80EAZZ-ECWD60EZAZ-EC差分
販売価格13,960円10,670円+3,290円
容量8TB6TB+2TB
容量単価1,745円/TB1,778円/TB-33円/TB

WD80EAZZ-EC

通販専用型番の「WD80EAZZ-EC」と「WD80EAZZ」に、性能の違いはないはずです。(未確認)

【WD80EAZZ】8TB HDDのベンチマークとレビュー【CMR】

価格.comの人気売れ筋ランキングにおいて1位となっている、Western Digitalの8TB HDDであるWD80EAZZ。
今回の記事では「WD80EAZZ-00BKLB0」の性能をいくつかのベンチマークで測定し、レビューしてみます。

続きを見る

WD60EZAZ-EC

通販専用型番の「WD60EZAZ-EC」と「WD60EZAZ-RT」に、性能の違いはありません。(公式が回答済み)

【WD60EZAZ-RT】6TB HDDのレビュー【WD60EZAZ-ECとの違い】

価格.comの人気売れ筋ランキングにおいて2位となっている、Western Digitalの6TB HDDのWD60EZAZ-RT。
今回の記事では「WD60EZAZ-00SF3B0」の性能をいくつかのベンチマークで測定し、レビューしてみます。

続きを見る

WD80EAZZとWD60EZAZ-RTの仕様比較

WD80EAZZとWD60EZAZ-RTの「仕様比較」です。
双方の大きな違いは容量・キャッシュ、そして記録方式が「CMR」か「SMR」かの3点です。

仕様比較WD80EAZZWD60EZAZ
流通型番WD80EAZZ
WD80EAZZ-EC
WD60EZAZ-RT
WD60EZAZ-EC
JANコード07180378941570718037855684
検証モデルナンバーWD80EAZZ-00BKLB0WD60EZAZ-00SF3B0
シリーズWD Blue
容量8TB(実容量7452GB)6TB(実容量5589GB)
インターフェースSATA 6Gb/s
Advanced Format対応
内部転送レート170MB/s180MB/s
キャッシュ128MB256MB
回転速度5640rpm/s5400rpm/s
記録方式CMRSMR
保証期間2年

WD80EAZZとWD60EZAZ-RTの外観比較

天面

WD80EAZZとWD60EZAZ-RTを見比べると、デザインが異なることがわかります。
左側の「WD80EAZZ」のほうが、HGSTに似ていると言えます。

WD80EAZZとWD60EZAZ-RTの違い-2

底面

底面を比較すると、基板もさることながら、上部のネジが違うことがわかります。
左側の「WD80EAZZ」は両端に各3個、右側の「WD60EZAZ-RT」は両端に各2個です。

WD80EAZZとWD60EZAZ-RTの違い-3

側面

底面ではネジの数が異なりましたが、側面のネジは双方3個で同一です。

WD80EAZZとWD60EZAZ-RTの違い-4

背面

背面を確認すると、ジャンパーピンの数で違いがあるようです。

WD80EAZZとWD60EZAZ-RTの違い-5

WD80EAZZとWD60EZAZ-RTの性能比較

計測に使用したのは、マザーボードの「SATA 6G」です。
どちらも同じポートを利用しており、左側が「WD80EAZZ」で右側が「WD60EZAZ-RT」です。

またいずれの画像も個別記事で掲載したものですから、詳細は直上のリンクから各記事をご確認ください。
そのほか注意事項としてはどちらも「開封直後」のもので、使い込んだ後の速度を測定していないことです。

ベンチマーク計測PC内容
OSWindows 10 Pro 64bit
マザボードASUS「TUF Z390-PLUS GAMING」
CPUIntel「Core i9-9900K」
メモリCorsair「CMK16GX4M2A2666C16」
グラフィックカードGIGABYTE「GV-N2070WF3-8GCC1」
ストレージIntel「SSDPEKKW256G8」
電源Cooler Master「RS750-AMAAG1-JP」

CrystalDiskMark 8.0.4 x64

前編を比較すると、シーケンシャルはほぼ同等で「WD60EZAZ-RT」がランダムリードで勝っています。
後編を比較すると「WD80EAZZ」がシーケンシャルで「WD60EZAZ-RT」がランダムライトで優位です。

前編:16MiB / 64MiB / 256MiB

CrystalDiskMark 8.0.4 x64

後編:1GiB / 4GiB / 16GiB

CrystalDiskMark 8.0.4 x64-2

HD Tune Pro 5.75

読み込み速度は「WD60EZAZ-RT」の記事で案内したとおり、SSDのような挙動を示した結果となっています。
そのため最低速度・最大速度・平均速度の全てで勝っており、参考となるデータは得られませんでした。

その反面書き込み速度はHDDらしい測定データを示し、どちらも同じような速度の傾向となりました。
8TBの「WD80EAZZ」は最低速度・アクセスタイム・バーストレートで劣り、それ以外では優位です。

読み込み速度

HD Tune Pro 5.75

書き込み速度

HD Tune Pro 5.75-2

ATTO Disk Benchmark 4.01.0f1

WD80EAZZは読み書き共に「約200MB/s」となっている一方で、WD60EZAZ-RTは「約180MB/s」です。

ATTO Disk Benchmark 4.01.0f1

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