無線ルーターの価格を決定付ける主な要因は、アンテナの数と搭載された機能です。
今回の記事では無線ルーターのメーカーに実態を確認し、その内容をまとめます。
確認したメーカーは、BUFFALO、ELECOM、IODATA、NECの4社です。
ただし下の回答例では、メーカーが特定できないようランダムな順番にしています。
無線ルータに電波強度の違いは存在するか?
A ⇒ 全て電波法の範囲で出力が決められているため、無線電波の到達範囲に違いはない。
価格には通信速度や内蔵するパーツ、通信速度の向上を図る仕様が反映されている。
B ⇒ 電波法により送信出力上限が決められており、電波の到達範囲に違いは存在しない。
価格には内蔵アンテナ数や搭載されているCPU、放熱処理などが反映されている。
ちなみに電波の到達距離は同じだが、接続できた際のスループット値は異なる。
C ⇒ 機種により到達距離や強度は異なるが、環境にも依存するため詳細な情報は非公開。
価格には上記の要素のほか、アンテナ数や基盤の性能などが反映されている。
D ⇒ 電波の性質という点では、強度に違いはない。
ただしアンテナの指向性や内部ソフトウェアの設計、同時接続台数等の要素により、
実際に利用した場合の繋がりやすさは異なる可能性がある。
また電波強度は電波法にて最大出力が定められており、各社製品はほぼ最大の出力のはず。
その中で実際の伝送距離に差をつける要素として、アンテナの性能に工夫が行われている。
無線ルーターのローエンドモデルとハイエンドモデルで、電波の到達距離に違いはない。
無線ルータの価格差は、ハードウェアおよびアンテナの仕様や機能の違いによるスループット値や、
どれだけの端末が同時接続に耐えられるかなど、接続できた際の快適性に影響するようです。
パッケージのハイパワー表記に意味があるか?
この質問は、パッケージにハイパワー表記の有無がある2社に行いました。
イ ⇒ 弊社計測時に、標準モデル以上の実行スループット値が得られたため表記している。
ロ ⇒ 弊社基準のもと、一定の電波出力を満たすものに表記している。
ハイパワー表記は劇的な効果を及ぼさないが、表記しているだけの意味はある。
電波が飛びにくい環境に推奨する構成とは?
A ⇒ 利用環境に依存するため、回答できない。
まずは設置場所の変更やチャンネル変更などの電波干渉要因を減らす工夫を行うべき。
それでも特定エリアに電波届きにくい場合は、中継器の利用を推奨する。
B ⇒ 中継器を利用した方が効果的な場合が多い。
またこの際は高性能な機種1台ではなく、廉価な機種を数台利用することを推奨する。
C ⇒ 親機の性能に合わせて、同じ性能のアクセスポイントや中継器の導入が推奨される。
ただしアクセスポイントや中継器の性能が親機を下回れば、通信の快適性は損なわれ、
アクセスポイントや中継器の性能が親機を上回っても、親機以上の速度は実現できない。
D ⇒ 特定方向に電波を延長したい場合は、安価な親機と中継器の組み合わせが推奨される。
電波の出力が決められている以上、中継器の効果は期待できる。
2社がハイエンド1台ではなく、ローエンドを数台導入すべきと回答したことに驚きました。
やはりこのあたりに、電波法による出力規制が影響しているのだと考えられます。
他社に対する優位性とは?
今回確認した4社のうち、優位性として挙げたい機能面に関する回答があったのが2社と、
他社製品の仕様について把握していないため、回答できないという2社に分かれました。
優位性を挙げたメーカーはどちらも、他社では見られない機能名称でパッケージに記載しています。
MU-MIMOやビームフォーミングなど、どのメーカーでも見られる機能名称に優位性はありません。
製品を比較したい場合は、メーカー独自の機能名称とその効果について確認すると良いでしょう。
IPv6 IPOE + IPv4 over IPv6への対応について
今回確認した4社のうち、IPv6 IPOE + IPv4 over IPv6に対応した製品は2社より発売中。
発売していない残りの2社に対応予定を確認したところ、現状対応予定はないとのことでした。
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