【IPv6】OCN v6アルファは速いのか?【v6プラスとの比較】

2019年8月22日

大手プロバイダのOCNで契約可能な、IPoE(IPv4 over IPv6)接続サービスのOCN v6アルファ。
今回の記事ではこの「OCN v6アルファ」の内容や、速度についてv6プラスと比較してみます。

OCN v6アルファとは?

OCN v6アルファ 公式ページ

他社のv6プラスに相当する、OCNが提供するIPoE(IPv4 over IPv6)接続サービスのこと。
申し込むことで専用のルーターが送付され、接続することで「高速接続」が可能となります。

一般的なプロバイダの接続方法は従来の形式であるIPv4 PPPoEが多く、混雑時は遅くなりがち。
しかしこの「OCN v6アルファ」であれば、特別な工事不要で夜間帯でも快適な通信が行えます。

OCN v6アルファの利点

  • 混雑の少ない快適通信を実現する、IPoE(IPv4 over IPv6)に対応している
  • OCN v6アルファに必要な専用のルーターは、無線LAN対応かつ接続するだけで使える
  • 無料で訪問サポートが利用できたり、面倒な設定を遠隔サポートで解決できる
  • ルーターの管理画面から保護者設定が行え、不正な通信も自動でブロックできる
  • OCN v6アルファ アプリを利用すれば、セキュリティ状況や通信量などの確認が行える

対象のプラン

OCN v6アルファを契約可能な「対象プラン」です。

OCN v6アルファの対象プランまとめ

  • OCN 光 ファミリー
  • OCN 光 マンション
  • OCN for ドコモ光
  • OCN 光 2段階定額 ファミリー
  • OCN 光 with フレッツ ファミリータイプ
  • OCN 光 with フレッツ マンションタイプ
  • OCN 光 「フレッツ」 ファミリータイプ
  • OCN 光 「フレッツ」 マンションタイプ

対象の回線

OCN v6アルファを契約可能な「対象回線」です。
いずれも「NTT東日本」もしくは「西日本」が提供する回線に限られます。

OCN v6アルファの対象回線まとめ

  • 「フレッツ 光ネクスト」
  • 「フレッツ 光ライト」
  • 「フレッツ 光ライトプラス」
  • 「およびそれらを利用したドコモ光」

提供の条件

OCN v6アルファを契約可能な「その他の条件」です。

OCN v6アルファの提供条件まとめ

  • 対象プランと対象回線の組み合わせであること
  • 契約者本人からの申し込みであること
  • NTT東西のフレッツ・v6オプションに申し込むこと(無料)

提供に関する注意点

OCN v6アルファの契約の関して、事前に確認が必要な「注意点」です。
これらの一部は、他社の「v6プラス」においても同様の仕様となります。

  • 通信サービスによっては、利用できない場合がある
  • OCNドットフォンを使用している環境では、同時使用ができない
  • 従来のPPPoE方式での接続が不可能となる
  • OCN v6アルファの利用には、専用のルーターが必要である
  • 利用している契約によっては、24カ月の最低利用期間がある
  • 通常の契約と同様に、通信速度や通信品質は保証されない
  • 通信量が多いと一時的に通信量を管理される可能性がある

OCN v6アルファの料金は?

OCN v6アルファの料金は、OCN for ドコモ光を除いて「月額500円」です。
契約することで高速接続・専用ルーター・セキュリティ機能・サポートが利用可能となります。

またOCN v6アルファには「OCN 光 v6アルファパッケージ」もありますが、これはOCN光とのセット。
内容は通常の「OCN v6アルファ」と変わりなく、契約に必要な費用も月額500円で同一です。

ちなみにOCN for ドコモ光に限り、月額500円が不要となるためお得な印象。
ただし標準で含まれている「セキュリティ機能」が、月額200円のオプションとなっています。

OCN v6アルファで速度は改善するのか?

結論から言うと、実際に利用して速度を計測した結果「速度は大幅に改善した」と言えます。

自身は最大1Gbpsの戸建用回線を利用しているのですが、通信が混雑する夕方から通信が不安定になります。
24時あたりまで通信速度が3Mbpsを切ることも常習化しており、たびたび「200Kbps台」になることも。

そうなると動画サイトはもちろん、画像が多いニュースサイトすら使用に耐えない状況となります。
下の画像は通信速度がゲームに必要な最低水準に達しておらず、キック(切断)された状況です。

こうなると「カクつく」というレベルの話ではなく、自動で切断されるためゲーム自体プレイできません。

しかし「OCN v6アルファ」導入後以降は、速度の幅があるものの夜間帯でも50Mbps近い通信が可能に。
あくまでもこの「50Mbps」は最低水準の話で、混雑しやすい21時で「約119Mbps」を、

同22時で「約215Mbps」を記録することもあります。

混雑していない時間帯であれば、安定して250Mbps以上の速度で通信が行えることも珍しくありません。

そのため通信速度を向上させたいのであれば、月額500円以上の価値はあると言えるでしょう。
もしすでに「OCN for ドコモ光」を利用しているのであれば、使わない理由がまずありません。

毎月の費用を増やすことなく、インターネットを高速化できるのですから。

OCN v6アルファが向かない環境

前述のとおりOCN v6アルファは大きく速度を向上できる一方で、向かない環境もあります。
それはまず通信方式の仕様に伴う、これらのサービスが利用できないことです。

  • 特定のプロトコル(PPTP、SCTP)を利用するサービス
  • 特定のポートを使用するサービス
  • IPv4グローバルアドレスを共有するネットワークでは利用できないサービス
  • その他一部のゲーム、ゲームモードなど

中でもゲーマーが注意すべきは、最後のゲームに関する点です。

自身はまだ「マルチプレイ自体が不可能」というゲームには遭遇していませんが「特定の相手とパーティを組めない」という症状には遭遇したことがあります。

その際、トラブル対策用に別で契約しているプロバイダ(IPv4 PPPoE)に切り替えると問題なかったため、原因がOCN v6アルファ(v6プラス)にあることは明白でした。

さらにOCN v6アルファを契約した時点で「従来のPPPoE方式での通信を行うことはできません」と公式も謳っていることから、専用ルーターへ接続したパソコンからこれまでのユーザーIDで「IPv4 PPPoE接続」をしても改善することはありませんでした。

そのため同じような症状に遭遇した場合は「サブプロバイダを利用する」「シングルプレイに徹する」のどちらかを選ばなければなりません。

そのほか「OCN v6アルファの利用に専用ルーターを必要とする」ことから、管理が必要なネットワーク機器がひとつ増加するため、家庭内で複数のパソコンやプリンタなどを利用している環境にも適しません。

私の環境がこれに該当しており、自宅と会社をネットワークで接続しているためか専用ルーターを経由すると不具合に遭遇しました。
例えば「リモートデスクトップが利用できない」「宅内や会社のパソコン間でフォルダ共有ができない」「業務用複合機の内部HDDに接続できない」などです。

もちろん専用ルーターの上流に存在するホームゲートウェイに接続すれば問題ないのですが、それだと通信速度の向上が見込めません。
ルーター内部の設定を確認してOCN v6アルファ導入前の環境を再現しても「導入前と同様にできること」と「導入後ではできないこと」に分かれるのです。

つまり避けるべき環境は「公式記載の利用できないサービスを必要とする環境」「OCN v6アルファと相性の悪いゲームをプレイする環境」「家庭内で特殊なネットワークを構築している環境」の少なくとも「3種類」だと言えるでしょう。

自身のネットワーク環境について

私はこれまで速度の検証用として、様々なプロバイダと契約して速度の測定を行ってきました。
下記それぞれの記事は、全て同一住所・同一の回線であり「プロバイダのみが違う」ものです。

もしOCN以外の検討しているプロバイダがあるなら、ぜひ記事内容を元に検討してみてください。

BIGLOBE

対象プランが比較的多い、著名なプロバイダの「BIGLOBE」です。
v6プラスと同様のサービスを「IPv6オプション」という名称で提供しています。

v6プラスで速度を向上させた結果

DS-Liteと同様のIPv4 over IPv6サービスとして提供されている、v6プラス。
今回の記事ではBIGLOBE版のv6プラスにあたる、IPv6オプションの加入結果を解説します。

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Gaming+

e-Sportsゲーマー向けプロバイダの「Gaming+」です。
おトクな「利用開始月無料+無料お試し制度」を提供しているため、速度の検証にも有用でしょう。

【ISP】Gaming+(v6プラス)の速度を検証した結果

インターネットの速度にこだわる、e-Sportsゲーマー向けプロバイダのGaming+。
今回の記事ではこのゲーミングプラスと実際に契約し、v6プラスの速度を検証します。

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ZOOT NATIVE

厳密にはv6プラスとは違いますが、IPoE(IPv4 over IPv6)接続の「DS-Lite」です。
中でもこの「ZOOT NATIVE」は、違約金不要で最大2ヶ月試用できます。

DS-Liteで遅い光を速くする

本来高速な回線でありながら、選択するプロバイダーによって速度低下が避けられないフレッツ光。
今回の記事では実際にZOOT NATIVEと契約し、フレッツ光の速度を大きく向上させてみます。

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IPoE対応ルーター 01とは?

ちなみに「IPoE対応ルーター 01解説編」は、別記事で詳しく解説しています。

【OCN v6アルファ】IPoE対応ルーター 01とは?【外観と設定画面】

OCNが提供する高速通信サービス「OCN v6アルファ」を使用するには、必須となるIPoE対応ルーター 01。
今回の記事ではこの専用の「IPoE対応ルーター 01」の外観や設定画面について、写真付きで解説します。

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